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常念・鹿島槍・蝶・雪形 「安曇野」田淵行男

安曇野安曇野

常念・鹿島槍・蝶・雪形。

田淵行男の写真文集「安曇野」を一言でいうとこういう感じか。
安曇野は田淵が戦前から暮らした第2のふるさとであり、蝶の里であり、常念岳の麓であり、その思いは深い。「安曇野」というと臼井吉見の小説が有名であるが(未読)、ぼくにとっては、後立山連峰、わざび田、「水色の時」だろうか。

 戦前からこの地に暮らし、蝶を観察していた田淵にとって、戦後の復興は開発と農薬の歴史であり、それはすなわち、自然と蝶の絶滅の歴史でもある。
 「安曇野」は1976年の刊行であり、高度成長期の開発の波が一旦落ち着いた時代でもあり、開発をまのあたりにした田淵の目にもわずかながらも自然の回復の兆しが見えた頃。
 そういう時代で、ありし日の安曇野を山と自然と蝶を中心に撮影し綴ったのがこの写真文集である。「山の紋章 雪形」を田淵が世に出すのはこの5年後であるが、この本では当然のように安曇野の雪形にも触れられている。残念なのは量の関係で白馬山麓がカットされたこと。

 表題に「常念・鹿島槍・・・」と書いたが、実のところは鹿島槍が多い。

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 鹿島槍はとてもすてきな山である。後立山のみならず北アルプスで一番形の良い山ではないか。個人的には対抗できるのは水晶岳(黒岳)か黒部五郎くらいだと思う。
 この本では鹿島槍をいろいろなところから眺めている。今にもいきたくなる場所ばかりである。

というわけで、久しぶりにカシミールで可視マップを作ってみた。

田淵行男関連著作一覧

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