東山魁夷「山河遙か」


「山河遙か」は東山魁夷の画文集である。画文集といっても絵の横に簡単な詩やコメントがある程度。しかしこの短いコメントがあるかないかではかなり作品の印象が異なる。要するに素人には理解しやすい。東山魁夷クラスになると幾多の本が出ているし、その中には1冊でエッセンスを伝えるべく多数の作品が時代順に作品名と製作年くらいだけのわずかな情報とともに並んでいる。もちろん巻末には解説があるが、これは読みにくい。
「山河遙か」はいくつかの章に分かれ、章の冒頭で魁夷が総括的な文を載せたうえで作品が並び、作品のひとつひとつにはコメントやあるいは詩が添えられているので分かりやすい。
章の構成は以下のとおりで、109点の作品を収録している。
- 風景との出会い
- 京洛の四季
- 白い馬の見える風景
- 北欧との巡り合い
- ドイツ・オーストリアの旅
- コンコルド広場の椅子
- 中国の旅
- 障壁画の世界
- 東宮御所
- 皇居宮殿
- 唐招提寺
試みに手元に昔からある集英社の廉価版の全集(1冊のみ)を読み返してみたが、掲載されていることも忘れていた作品も多く、収録された作品の選択には問題はないのに、とても読みにくい印象があった。まあ、わかる人であれば絵そのものを見ただけで作者の意図やそのすばらしさを実感できるのかもしれないが、ぼくにはこの「山河遙か」のような構成が嬉しい。


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