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山の本漁り(その1 発端)

山の憶ひ出 復刻版 木暮理太郎 昨年12月上旬 1冊の古書目録が届いた。以前に何かを購入したことがある森井書店の目録だった。しばらくたって開封してみると望月達夫旧蔵品特集ということで氏を交友のあった深田久弥や串田孫一、槙有恒などの書簡を中心とした山岳書特集であった。
 冒頭をカラー写真で飾った立派な目録の中のひとつに中村清太郎の油彩があった。昭和の初期の蒲田川あたりから遠くに槍ヶ岳を望む「山岳遠望」との仮題がついた縦37センチの油彩だ。曇天の下、蒲田川が少し暗めに流れる中でも山は明るい緑に染まり、木道の桟道の先の空に、遠く大喰岳、槍ヶ岳が霞んでいる。価格は105,000円。うう~う、欲しい。

 中村清太郎の画を庶民が眼にするチャンスはめったにない。なにせ中村清太郎でグーグルしてもほとんどヒットしない。田部・木暮・中村の3人組のファンとしてはちょっと悲しい。
 中村清太郎の本は「山岳渇仰」を購入済みであるが、これが昭和19年という時期もあり紙質がひどく中村自身による挿絵の鑑賞もままならない出来、というのは以前にも書いた。中村の書はいくつかあるが、「山岳渇仰」以外は入手しにくく、絵となればなおさらである。
 価格が庶民から見ると微妙なところ。昨夏購入した20インチの地上デジタル対応TVと同じくらいの価格。でも目録が届いてから2週間近く経っているし、すでに売り切れている可能性も高いし、などなど思いつつ恐る恐る電話をしてみると、「あ、これは2日前に売れてしまいました」。
 残念・・・

 で、ちょっと、ほっとした。

もうひとつ掲載されていた「大井川奥山暮れる(上河内岳)」(上高地岳残照:367,500円)もためしに聞いてみたがこれは1週間前に売れたとのこと。まあ、こちらはあったとしても購入できる価格ではないし、絵としては残照に染まる上河内岳がすばらしいものの、「山岳遠望」のほうがしっとりしていてぼく的には好み。

 ということで、思いがけず中村清太郎の絵を見ることができたが、入手はできなかった。
この目録にはもちろん多数の山岳書が掲載されていたが、驚くべき価格も多く、木暮理太郎の「山の憶ひ出」愛蔵版100部限定ものなど上下2巻で892,500円!だ。山岳書もピンキリだが、もともと数が少ないのでブックオフで100円で購入というわけにはいかない。

 というわけで、中村の絵に10万円遣ったと思って少し山の本を探してみるかな、という感じでヤフオクや楽天フリマ、日本の古本屋を中心に漁ったのが以下の本たち(他にも少しあるけど)。
 ちょっと高かったかな、というのもあるが、写真集を中心にかなり安価で入手できたのが幸い。
すでにこのブログで書いたものもあるが、この他、とても手が出ないものは図書館で借りている。これから少しずつ取り上げていきたい。


書名著者・出版社購入価格
エーデルワイス写真集
わが心の山
日本山岳写真集団 角川書店1,050
わが南アルプス白籏史朗 朝日新聞社1,800
峠と高原田部重治 新潮社1,000
雪山・藪山川崎精雄 山と渓谷社1,050
日本の山岳名著 解題 復刻版日本山岳会 大修館書店2,000
日本アルプスと秩父巡礼 復刻版田部重治 大修館書店1,300
名峰シリーズ 尾瀬 白籏史朗 山と渓谷社320
豪華風景写真集 日本アルプス槙有恒 毎日新聞社4,000
ナチュラリスト 田淵行男の世界東京都写真美術館2,000
忘れえぬ山旅田部重治 三笠書房2,128
信州讃歌東山魁夷 求龍堂840
わが山旅五十年田部重治 二見書房1,050
諸国名山案内〈第2巻〉東北山と渓谷社570
山の憶ひ出 復刻版木暮理太郎 大修館書店5,500
千山万岳・山岳渇仰・山旅の素描志村烏嶺 中村清太郎 芝木猪之吉
あかね書房
1,000
ある偃松の独白中村清太郎 朋文堂1,000
田淵行男 日本の写真家 11飯沢耕太郎 岩波書店950
白籏史朗写真集「日本の名峰」山岳写真の会「白い峰」 800
日本の山山と渓谷社500
空撮 世界の名峰山田圭一 白水社565
アルプス讃歌白籏史朗 集英社800
日本アルプス田淵行男 国際情報社5,000
美しき山日本山岳写真集団 山と渓谷社2,000
名峰たちの四季新妻喜永他 山と渓谷社1,150
山 光と影山本和雄他 山と渓谷社1,000
静かなる山 正&続川崎精雄 茗渓堂 1,300

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