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山を愛する写真家たち―日本山岳写真の系譜

山を愛する写真家たち―日本山岳写真の系譜
 山岳写真集はたくさんあるし、多数の写真家がいる。
 ぼくが山岳写真を始めてみたのはたぶんヤマケイを読み始めた高校の頃だと思う。ヤマケイやガイドブックの巻頭を飾る口絵写真の撮影者から名前を覚えた。当時、すでに白籏史朗は不動だったので彼の写真は多く眼にしてきた。
 さて、日本にはそれまであるいはそれから、どんな山岳写真家がいる、いたのだろう、という疑問を解決してくれるのが、 東京都写真美術館の「山を愛する写真家たち―日本山岳写真の系譜」である。
 日本の山岳写真の創成期から現代までの有名な写真家を代表作とともに紹介している。
 とりあげた写真家(登山家)は以下のとおり。

河野齢蔵、大木操、田中薫、志村烏嶺、辻本満丸、石崎光揺(ヘンは王)、冠松次郎、穂刈三寿雄、太田四郎、百瀬藤雄、手塚順一郎、武田久吉、坂下隆栄、勝山為如、長谷川伝次郎、田淵行男、岡田紅葉、船越好文、風見武秀、三浦敬三、内田耕作、依田孝喜、藤木高嶺、三木慶介、白川義員、横田祐介、安久一成、白籏史朗、小森康行、山田圭一、大森弘一郎、三宅修、内田良平、山下喜一郎、岩橋崇至、川口邦雄、水越武、平野武利、伊藤孝一、塚本閤治

 登山家として有名な冠と武田久吉を除くと田淵行男より前の名前はほとんど知らない。穂刈という苗字がたぶん槍ヶ岳山荘関係者だろうとか、百瀬という姓はやはり百瀬慎太郎の関係かと思うくらいで、山岳写真史をざっと見るには良い本であり、冒頭にはその歴史も記載されている。
 巻末には写真家ひとりひとりの紹介が比較的詳しく書いてあり、最近の人という印象があった「山頂にて」の平野さんが実は1925年生まれと初めて知ったが、他の人もみんないい歳なんだなあ、と思った。

 さきごろ亡くなった三浦敬三さんがスキーヤーだけではなく写真家としても認められていたこともこの本を見るまでは知らなかった。
 ちなみに、大木操は嘉門次を従えたウェストン夫妻を河童橋で撮影した人。辻本満丸は日本山岳会の幹事で、木暮理太郎、田部重治の訪問を受け、中村清太郎らを紹介した人で、中村とともに後立山連峰を縦走して記念写真を撮影している。これらの写真も掲載されており、昔の貴重な写真を見たい人には良い1冊だろう。

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