ナチュラリスト・田淵行男の世界
田淵行男の名前は学生の頃から知っていたが、雪形の田淵さんというイメージが強く、田淵の写真はほとんど目にすることはなかったので、写真家としての田淵の記憶はあまりない。たまたま、 東京都写真美術館のナチュラリスト・田淵行男の世界を図書館で見かけたので読んでみた。
田淵の山岳写真・動植物とりわけ蝶、そして雪形の集大成の紹介と出版物一覧、それに「黄色いテント」で田淵が語っている「山頂の石」の写真、それに弟子である写真家 水越武ほかの寄稿などである。
田淵を知るのにこれ以上の1冊はない。
図書館の本を読みながら、これは買うべきと、ヤフオクで写真展の図録を求めた。
図録と書籍を並べてみると、中身は同じながら装丁はかなり違う。書籍はハードカバーで裏表紙には、本文に収録しているヒメギフチョウなど高山蝶の細密画、見返しには田淵の写真と略歴の記載がある。一方、図録には、外国人入館者のためであろうか、書籍には収録されていない英文の解説が掲載されている。
田淵のオリジナルの写真集や著作は、新刊本では文庫本の新編 山の季節しか入手できない。あとの著作は古書でとなるが、いずれもかなり高価である。年末に国際情報社刊 「日本アルプス」をヤフオクで入手したがあまり安くはなかった。
田淵の古本の価格を見て、知らないほうが良かったかも、とも思ったりする。
ナチュラリスト・田淵行男では田淵に師事した写真家水越武が寄稿しているが、水越武は志水哲也「黒部」では志水の師として寄稿している。
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