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挿絵で読む「坂の上の雲」をゆく

挿絵で読む「坂の上の雲」をゆく〈上〉挿絵で読む「坂の上の雲」をゆく〈下〉
産経新聞取材班「「坂の上の雲」をゆく」を読んだ。

 日本史には、元気な時代とそうでもない時代がある。ま、あくまで主観だが。
元気な時代は、新政権ができたり大改革がされる時だろう。聖徳太子の時代、大化の改新から源平、戦国時代などがそれにあたる。近世以降では幕末期がそうなるが、明治になってひときわ輝けるピークが日露戦争前後だったように思える。
 その時代を描いた、司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読んだのは学生の時。もう一度くらい読み直してもいい本であるが、なんせ長い。最初に読んだときはいつ203高地が陥ちるのか、バルチック艦隊はまだか、と思いながら読んでいた。
 歴史の先生が参考図書として、本書に加えて島田 謹二の 「アメリカにおける秋山真之」「ロシアにおける広瀬武夫」をあげたので秋山の方は読んだが、広瀬は挫折した覚えがある。
ついでにいえば「アメリカにおける秋山真之」は米西戦争の観戦武官としてアメリカにいた秋山のレポートであるが、けっこう面白かった。

坂の上の雲
 さて、冒頭の「「坂の上の雲」をゆく」は、図書館で見つけたものだったが、楽しく読めた。産経新聞で坂の上の雲が再連載されたときに並行して連載された関連するコラムであり、明治の一時期、日本がそれ以降、間違った方向に行く前の時代を、秋山兄弟はもちろん、日露戦争を支えた一般大衆の動きまで、非常に広範なコラムである。いろいろな登場人物の子孫や史跡を支える地元住民へのインタビューも多いがこれもいい。

 祖父母の代がどんどんいなくなり、本当に明治は遠くなった。
 「坂の上の雲」は戦争の話ではなく、日本が輝いていた時代、まだまだ一般民衆が「私」を捨て自然と「公」に尽くせる時代を描いた物語であると思う(本書にもそのような記載があるが)。
 「坂の上の雲」をゆく、は基本的にはコラムなので「坂の上の雲」を読んでいなくてももちろん楽しめる。たとえ日露戦争そのものを知らなくても読んでいくにつれて明治という時代とこの戦争の位置付けは浸透してくるだろう。 
 それと、この本、上下2冊だが、挿絵と写真が多いので文章はとても少ないのですぐに読める。
しかも上下でストーリーがあるわけではないので、上下を交互に読める。いちおう上下で時代順にはなっているが・・。

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