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田淵行男 「黄色いテント」

黄色いテント 1985年に刊行された田淵行男の初の随筆集が「黄色いテント」。当時の価格3,800円もけっこうな価格だが古本はもっと高い。今回もまた図書館のお世話になった。
 最初の企画から30年近くたって完成したエッセイ集はさすがに中身が濃い。

 山頂の石、アルビノ(先天性白皮症・白子症などともいう。先天的に皮膚や髪のメラニン色素が無い、あるいはほとんど無い症状のこと。またその症状を持つ人や動物のこと。田淵の場合は高山植物が主体 )収集などちょっと余人とは違うところから始まり、山の怪奇談、滑落ときて常念岳登頂206回の「一山百楽」になっていくのかなあ。
 山に関わるエッセイとしては抜群に面白い。時代の差、装備の差、山の混雑度の差などさまざまな要因にもよるのだろうが・・・。最後には「山の紋章 雪形」刊行以降の雪形の情報も忘れていない。

 この本でも中村清太郎の文章が引用されていた。山の怪奇談の中の「樹木動く」である。
 中村が餓鬼岳で鷲羽岳を描いていたときの枯れ木に近い木の様子を記した文章で、「山岳渇仰」に収録されている。あれ、そんな話あったかな、と最近入手した日本山岳名著全集11の「山岳渇仰」を見てみたがない。仕方ないので昭和19年刊行の初版本を取り出すと、あった。山岳名著全集に収録したものは抄録のようだ。こういうのは困るなあ、抄録ならそう明示してくれないと・・・。
 しょうがないので、こちらに初版本の目次画像を加えた。

P.S 中村清太郎でググッたら、このブログが2位に・・・、それだけ情報がないということ。けっこう悲しい

田淵行男関連著作一覧

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障害者自立支援法の勉強会

障害者自立支援法の勉強会なるものに参加してきた。

司会は都議:原田恭子、講師は前回の総選挙であの伊藤公介に破れた民主党 石毛えい子

障害者自立支援法とは、今年から施行される法律で、概要から引用すると
「障害者の地域生活と就労を進め、自立を支援する観点から、障害者基本法の基本的理念にのっとり、これまで障害種別ごとに異なる法律に基づいて自立支援の観点から提供されてきた福祉サービス、公費負担医療等について、共通の制度の下で一元的に提供する仕組みを創設することとし、自立支援給付の対象者、内容、手続き等、地域生活支援事業、サービスの整備のための計画の作成、費用の負担等を定めるとともに、精神保健福祉法等の関係法律について所要の改正を行う。」というもの。
 
 まことに口当たりのよい説明であるが、要は、予算がなくなって来たのでこれまで以上に補助は打ち切るぞ、という趣旨で、成立以前から相当に問題ありとのことでいろいろ場所で批判があったが、郵政民営化のどさくさで成立した。

 施行細則が整備されないまま、支援制度が有料化だけが明確になっているので障害者はもちろん自治体も混乱しているので、いったい何が変るのかを確認しに行った。

 10分前に会場につくとそこは控え室かと思うような小さな場所で、参加者は全部で十数名というところか。以下は資料の抜粋。

現在は個人単位で補助の金額が決まったが、今後は世帯単位になる。
大きくは2つ。


1.福祉サービスの利用負担額
福祉サービスとは障害のある人のための通所施設、通所サービス、ホームヘルプ等のこと。例えば外出や留守番が困難な障害者を持つ家庭が外出時に施設に一時的に預ける、そのための送迎をしてもらうなどのサービスである。

 原則は1割負担となるが、下記の上限額を設定する。

世帯収入月額負担額
一般世帯  40,200円
市町村民税非課税世帯1
障害基礎年金1級を含みほぼ年収300万円以下
  24,600円
市町村民税非課税世帯2
ほぼ年収80万円以下(障害基礎年金2級相当額)
  15,000円
生活保護世帯   0円

  同じ世帯で別の人が障害福祉サービス、介護保険のサービスを受けている場合は合算額の上限が上記の金額となる。

 上記のほかにさらに年収が低ければもう少し軽減措置がある。

 【資産350万円以下で社会福祉法人のサービス利用時】
  低所得1:15,000円→7,500円
  低所得2:24,600円→12,300円
 利用者負担により生活保護世帯に該当する場合は、該当しなくなるまで負担を下げる。

 【食費・光熱水道費】
  原則全額自己負担。ただし世帯所得が低い場合は1/3にする(月22日で5,100円程度)

 収入が低い場合、サービス利用者負担と食費負担をしても手元に2.5万円残るようにします。
  



2.医療費の自己負担
 精神障害者など恒常的な通院や多くの常用薬の服用が必要であるが、医療費についての自己負担が変わる。

世帯年収月額負担額重度かつ継続的な場合
一般世帯対象外  20,000円
中間所得(市町村民税20万円未満)
     (市町村民税2万円未満)
  40,200円  10,000円
  10,000円  5,000円
低所得(市町村民税非課税かつ本人収入80万円超)
    (市町村民税非課税かつ本人収入80万円以下)
  5,000円
  2,500円
生活保護   0円   0円

市町村民税額はいずれも所得割の金額

【重度かつ継続的な場合の当面の判定】
・疾病、症状等から対象となる者
 精神:統合失調症、躁うつ病・うつ病、てんかん、認知症等の脳機能障害、薬物関連障害(依存症等)
   精神医療に一定以上の経験を有する医師が判断した者
 更生 ・育成:腎臓機能・小腸機能・免疫機能障害

・疾病等に関わらず、高額な費用負担が継続することから対象となる者
     精神・更生・育成  医療保険の多数該当の者



要は個人でなくて世帯年収で決めますよ、ということ。
 
 世帯年収の仕切りは上記1が2よりも厳しい。(2は年収7百万円程度で補助なしとなる(下記注参照)が、1は年収3百万円以上で最高額の負担となる)
 
 ・例えば通所施設に通う場合には一般世帯だと毎月の負担額は
    負担額上限(40,200円)+食費実費(15,300円)+光熱費実費(?)=55,500円+?
    年間で70万円程度かかる。大学なみ・・・、しかも大学は4年で終わるがこれが永遠に続く・・・。

 ・低所得者の場合はいろいろ負担軽減してもらって就労しても手元に残るのは月に2.5万円!
 ある本によれば生活保護世帯は親子3人で年収440万円クラスの生活ができるらしいから、こっちの方がいい、という人も出るだろうなあ。
 ところで「資産350万円以下」って誰がどうやって調べるんでしょう?

  (注)2.医療費で市町村民税額の所得割が20万円とは、年収ベースで換算すると、夫婦子1名で控除(給与所得控除、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、障害者控除、社会保険控除(国民年金))を考慮すると、給与所得者でざっくり710万円くらい。

  従来と近い負担で済ますには世帯分離の必要がある。世帯分離とは要するに世帯主の控除からはずすということで同居は認められるが扶養しないことが前提となる。したがって世帯主が夫の場合、夫でひとつの世帯とし、妻と子供で別の世帯とすれば妻と子供の世帯は年収が低くなる。

 2については、特に精神障害者で家族には内緒で診療している人、32条申請をしている人などに大きな打撃となろう。通院できなくなり、自立支援法施行で自殺者が増加するといわれている。



以下は発言者を含め記憶によるものであり間違いがあるかも。

 石毛:はっきりしていることは、必ず負担が増えることだけ。

 原田:T市のW市長は世帯分離すればいい、と言ったのでT市では世帯分離を認めるのかなあ。

 石毛か原田:障害者から負担金を取る国は先進国では日本以外にはほとんどない。

石毛:そもそも本人に過失がなく障害になっているのに負担を求めるのは妥当なのかという議論がされていない。

 参加者:小規模な通所施設をやっているが4名の障害児を1人で面倒見ろと指導され、その分しか支払いがないが、多動の子やトイレの介護が必要な子がいる場合それでは廻らない。 また従来はなかった本人への負担額の請求事務が発生するが、この点も考慮されておらず、施設運営側にも負担が増加する。

P.S この勉強会の直前に開催されたT市の市長や議員も参加する障害者関係の集会には、たぶん来ないだろうとの大方の予想を裏切りあの伊藤公介が堂々と登場し、W市長は去年とはうって変わって露骨に嫌な顔をしたかどうかはわからないがすぐに帰ってしまったとか。

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ダイヤモンド富士

20060128_005
 本当は29日に天王森付近から撮影する予定だったが、とりあえず28日に多摩センター パルテノン多摩の前で撮影。ちょっと油断していたらダイヤモンド富士は終わってしまっていた。
 多摩センター駅前も以前はかなりの場所から富士山を見ることができたが、最近は駅の周辺に加えさらに周辺にもビルが建つようになり、けっこう見えない。このあたりも銀行や損保の事務センター、モノレールの駅などが立ち並び、写真にはミツミの本社が映っている。
 
 その他の写真はこちら、といってもほとんどないけど。

 ダイヤモンド富士といえばFYAMAPのWoodyさん(森住さん)のサイトには、その行動力と写真の双方に感心します。1999年当時はまだ時々だったのが2001年以降はこの時期は毎日、ダイヤモンド富士を追いかけて関東周辺を飛び回わり、しかも見事な写真を掲載されています。


ちなみにSUUNTO X9のGPS更新間隔を1秒に設定して車を運転したら、さすがに正確なログが取れた。通常どおり、腕にして運転してました。

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中村清太郎「ある偃松の独白」

中村清太郎 ある偃松の独白
ナチュラリスト・田淵行男の世界の巻頭で山岳写真研究家の杉本誠が田淵の業績を解説する長文を寄稿している。その中で中村清太郎が高山蝶2種の発見者であり、発見時の様子を田淵の「高山蝶」に寄稿したこと、雪形の存在を田淵に教えたのも中村であったことを知った。

 田淵の「山の紋章 雪形」は1981年の刊行で、すでに中村は鬼籍に入っていたが、この本にも中村清太郎の「山雪の幻像-雪形の発掘と記録」が全文引用されていた。そして中村の田淵にかかわる蝶と雪形の2つの文がともに「ある偃松の独白」(朋文堂 コマクサ叢書)に収録されていることがわかった。

 1960年に刊行されたこの本はB6版。見開きに剣岳列しょう(?山ヘンに章:画像参照)、中ほどに「老いたる偃松(木曾駒ヶ岳)」という中村画伯のカラー口絵がある。
 書名の「ある偃松の独白」は「老いたる偃松の姉妹作」と副題が付けられ、木曾駒ヶ岳の老いた偃松が自分を描く老画家を通して山での人間の行為や自然の厳しさを語る小説となっている。

ある偃松の独白 目次
 さて、雪形と高山蝶の2題。

 「山雪の幻像-雪形の発掘と記録」は中村清太郎がなにげなくスケッチした木曾御嶽の絵を地元の人に見せ「ほう、種まき爺さんがよう出とる」と言われたことから始まる雪形の発見をはじめ、白馬の代掻き馬など代表的な雪形についてスケッチを交えて説明している。

 「高山蝶発見物語(田淵行男君著「高山蝶」のために)」は明治43年に後立山から立山に縦走したときのクモマツマキチョウ、タケネヒカゲの発見・捕獲物語である。これを読むと中村が以前は蝶の収集を行っており、初めて見る蝶について他の蝶との違いと日本初であることを直ちに判別して捕獲していることがわかる。捕獲用ネットのない状況で帽子で捕らえ、傷つけないように捕獲することは、中村が蝶の素人ではできなかったろう。
 なお、辻本満丸によるこの山行の記念写真が「山を愛する写真家たち―日本山岳写真の系譜」ナチュラリスト・田淵行男の世界の両方に収められている。

こうして「山の本 買い漁り」の発端となった中村清太郎の絵画付きの書籍を、志水哲也-水越武-田淵行男-中村清太郎という繋がりから入手することになったことは個人的に嬉しい。

目次画像

【朋文堂】コマクサ叢書について 

 中村清太郎の情報はネットでもほとんど拾えない(グーグルでヒットするのはほとんどが同姓同名のプロサーファーの情報・・・)ないのでコマクサ叢書の1冊である「ある偃松の独白」の本の装丁を見るのも初めてだった。
 装丁を見た瞬間に、同じ装丁の本が亡父のわずかな蔵書にあったのを思い出した。蔵書はすでに滅失してしまったので父が保有していたのがどんな本だったのかは今となっては分からない。調べてみるとコマクサ叢書には以下のような品揃えがあったようだ(14巻が記載のとおりかどうか、また16巻以降があったのかどうかは不明)。娘の名前を美ヶ原から採った父が持っていたのは尾崎喜八ではなかったか、と漠然と考えているが知る由はない。


  1. 新編みなかみ紀行  若山牧水

  2. わが山旅  田部重治

  3. 山の詩帖  尾崎喜八

  4. 山秀水清  深田久弥

  5. 黒部渓谷  冠 松次郎

  6. 山と鳥  中西悟堂

  7. 山と雪の日記  板倉勝宣

  8. 続 黒部渓谷  冠 松次郎

  9. 単独行  加藤文太郎

  10. 垂直の散歩  藤木九三

  11. 山  随想  大島亮吉

  12. 山の画帖  茨木猪之吉

  13. アルプの麓  吉江喬松

  14. 山よ雲よ 吉田 絃二郎か?

  15. ある偃松の独白  中村清太郎


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田淵行男 「山の紋章 雪形」

山の紋章 雪形 田淵行男
 先日、ナチュラリスト・田淵行男の世界を読み、田淵の写真集を見たくなった。しかし、田淵の本はいずれも中古でも高価なのでどうしようかと思っていたら、「山の紋章 雪形」が図書館においてあった。
 田淵行男が雪形についての本を書いたことは以前から知っていた。雪形についても白馬岳の「代かき馬」や五龍岳の「武田菱」や爺ヶ岳の「種まき爺さん」中央アルプスの「島田娘」くらいは知っていたが、その知識もヤマケイあたりの特集記事で仕入れたものだったろう。読んだのはおそらく70年代後半だから読んだ記事も田淵のものだったかもしれない。雪形には多少の興味があるものの、田淵についての知識も興味も以前はなかったので、田淵の本をわざわざ読んでみようという気にならなかったが、今回は渡りに舟と重い大型本を抱えて、いそいそと帰宅した。

 借りたときは、おおかた2,3時間で眺められる写真集という認識だったのだが、いざ読み始めると、ぱらぱらとめくればすぐに最後のページにたどり着けるような単なる風景写真集ではなかった。たっぷり2週間かけて読む羽目になり、嬉しい誤算だった。

 この本はもともと博物学者である田淵らしいこだわりが凝縮された逸品といえる。他の人ではなかなかここまでまとめることはできなかっただろう。
 もちろん雪形の写真は豊富なので、たしかに写真集ではあるが、寄稿をはじめ田淵自身によるいくつかの記事がとても興味深く、その量も写真集の巻末に付録的に掲載されたというレベルではなく、大型本からは想像できない小さいフォントでぎっしりと収録されている。
 まさに雪形の集大成といえる。しかし30年にわたって雪形と係わった田淵をしても、写真の出来栄えはもちろん、雪形そのものが確認できないものも多数あるという。


 目次や内容・特別寄稿の執筆者などはこちらに詳しいのでリンクさせていただいた。
 借りた本には外函はないのでわからなかったが、リンク先の写真では函には田淵が発見した「雪形ニューフェース」の自信作「中岳の舞姫」の写真で飾られている。ちなみに中岳は北アルプスの槍ヶ岳の南の山である。

 ぜひとも手元に置きたい本であるが、残念ながら田淵の著作の中でも高山蝶関係と並んで一際高値であり、10万円以下ではまず入手できないので当分諦めることにした。

信州 雪形ウォッチング
新府城跡から見た鳳凰山頂付近の農牛

 代わりに、といっては著者に失礼ではあるが、たぶん現在入手できる唯一の雪形本である、近田 信敬「信州 雪形ウォッチング」を入手した。
 こちらはA5版128ページの小冊子で、北・中央アルプスの有名な雪形を写真と簡単な説明でガイドし、見るためのポイントも記載した観光ガイドに近いものだ。ちなみに、山なみの説明はカシミール3Dで作成した鳥瞰図に山名や雪形の現れる場所を記載しており見やすい。どうせなら南アルプスも範囲にいれてくれると、ぼくが撮影した唯一の雪形である鳳凰の農牛も収録されたのだろうけど。

 さて、「山の紋章 雪形」の「雪形流転」という文章で雪形が永久不滅ではなく、開発や地盤の崩壊、雪崩などにより年月とともに形が変り消滅するものもあれば新たに誕生するものもある、と田淵は書く。
 代表的なものだけでもいいので、実物を早めに眺めておきたい。そのためには「信州 雪形ウォッチング」は、かなり役立ちそうである。

大天井付近からの中岳・舞姫P.S 頭が欠けてるけど舞姫の写真もあったので追加しました。93年のものです
 きれいに写っているものはこちら

田淵行男関連著作一覧


2006/5/5追記
雪形の写真を少しだけまとめました。こちら

2006/11/12追記 念願の「雪形」を入手したので写真を中心に追加してみた。


外箱は中岳の「舞姫」

表紙は白馬岳の代掻き馬

裏表紙は木曽駒ヶ岳の駒

見開きは五龍岳の武田菱

自序 雪形開眼

雪形の一覧

最初はやはり常念坊

雪形変化 種まき爺さんの一部

舞姫の解説には熱が入る

磐梯山の雪形について

福島・宮城・山形の雪形

室谷洋司氏の津軽雪形行脚

雪形についての田淵の新聞寄稿

女子高生のレポートもある


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ナチュラリスト・田淵行男の世界

ナチュラリスト・田淵行男の世界

 田淵行男の名前は学生の頃から知っていたが、雪形の田淵さんというイメージが強く、田淵の写真はほとんど目にすることはなかったので、写真家としての田淵の記憶はあまりない。たまたま、 東京都写真美術館のナチュラリスト・田淵行男の世界を図書館で見かけたので読んでみた。
 田淵の山岳写真・動植物とりわけ蝶、そして雪形の集大成の紹介と出版物一覧、それに「黄色いテント」で田淵が語っている「山頂の石」の写真、それに弟子である写真家 水越武ほかの寄稿などである。
 田淵を知るのにこれ以上の1冊はない。  

 図書館の本を読みながら、これは買うべきと、ヤフオクで写真展の図録を求めた。
左:書籍、右:図録
左:書籍、右:図録 図録と書籍を並べてみると、中身は同じながら装丁はかなり違う。書籍はハードカバーで裏表紙には、本文に収録しているヒメギフチョウなど高山蝶の細密画、見返しには田淵の写真と略歴の記載がある。一方、図録には、外国人入館者のためであろうか、書籍には収録されていない英文の解説が掲載されている。
   

国際情報社刊 田淵行男「日本アルプス」
新編 山の季節
 田淵のオリジナルの写真集や著作は、新刊本では文庫本の新編 山の季節しか入手できない。あとの著作は古書でとなるが、いずれもかなり高価である。年末に国際情報社刊 「日本アルプス」をヤフオクで入手したがあまり安くはなかった。
 田淵の古本の価格を見て、知らないほうが良かったかも、とも思ったりする。

 ナチュラリスト・田淵行男では田淵に師事した写真家水越武が寄稿しているが、水越武は志水哲也「黒部」では志水の師として寄稿している。

田淵行男関連著作一覧

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山を愛する写真家たち―日本山岳写真の系譜

山を愛する写真家たち―日本山岳写真の系譜
 山岳写真集はたくさんあるし、多数の写真家がいる。
 ぼくが山岳写真を始めてみたのはたぶんヤマケイを読み始めた高校の頃だと思う。ヤマケイやガイドブックの巻頭を飾る口絵写真の撮影者から名前を覚えた。当時、すでに白籏史朗は不動だったので彼の写真は多く眼にしてきた。
 さて、日本にはそれまであるいはそれから、どんな山岳写真家がいる、いたのだろう、という疑問を解決してくれるのが、 東京都写真美術館の「山を愛する写真家たち―日本山岳写真の系譜」である。
 日本の山岳写真の創成期から現代までの有名な写真家を代表作とともに紹介している。
 とりあげた写真家(登山家)は以下のとおり。

河野齢蔵、大木操、田中薫、志村烏嶺、辻本満丸、石崎光揺(ヘンは王)、冠松次郎、穂刈三寿雄、太田四郎、百瀬藤雄、手塚順一郎、武田久吉、坂下隆栄、勝山為如、長谷川伝次郎、田淵行男、岡田紅葉、船越好文、風見武秀、三浦敬三、内田耕作、依田孝喜、藤木高嶺、三木慶介、白川義員、横田祐介、安久一成、白籏史朗、小森康行、山田圭一、大森弘一郎、三宅修、内田良平、山下喜一郎、岩橋崇至、川口邦雄、水越武、平野武利、伊藤孝一、塚本閤治

 登山家として有名な冠と武田久吉を除くと田淵行男より前の名前はほとんど知らない。穂刈という苗字がたぶん槍ヶ岳山荘関係者だろうとか、百瀬という姓はやはり百瀬慎太郎の関係かと思うくらいで、山岳写真史をざっと見るには良い本であり、冒頭にはその歴史も記載されている。
 巻末には写真家ひとりひとりの紹介が比較的詳しく書いてあり、最近の人という印象があった「山頂にて」の平野さんが実は1925年生まれと初めて知ったが、他の人もみんないい歳なんだなあ、と思った。

 さきごろ亡くなった三浦敬三さんがスキーヤーだけではなく写真家としても認められていたこともこの本を見るまでは知らなかった。
 ちなみに、大木操は嘉門次を従えたウェストン夫妻を河童橋で撮影した人。辻本満丸は日本山岳会の幹事で、木暮理太郎、田部重治の訪問を受け、中村清太郎らを紹介した人で、中村とともに後立山連峰を縦走して記念写真を撮影している。これらの写真も掲載されており、昔の貴重な写真を見たい人には良い1冊だろう。

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山の本漁り(その2 写真集)

 ヤフオクで山の本を漁り始めると、写真集が意外に安く出品されていることに気がついた。

山 光と影
山本和雄他による山と渓谷社の写真集「山 光と影」は昭和53年の刊行。当時の広告をヤマケイで見た記憶があるが、17,000円という定価は学生にはとても手が出ない代物だった。梱包ダンボールは縦が50cmちかくあり、本体の写真集は横開きでA3横42センチ。この写真集の良いところは見開きではなく左隅の縦3箇所のビス止めのため、見開き2ページで真ん中が本の折れになってしまうようなことがないことである。ビスをはずすと1枚1枚を分離できて額に入れて飾ることもできる。もっともうちにはそのスペースがないが。
 冒頭を飾る山本和雄の滝谷夕映がすばらしく次のページの西田高生の初夏の池ノ谷が渋い。入手価格の1,000円は桁間違いのように思えた。
 

美しき山
美しき山

 やはり、刊行当時にヤマケイで広告を見て、手が出なかった写真集のひとつに「美しき山」 日本山岳写真集団(山と渓谷社 昭和52年:9,800円)がある。縦29センチの大型本。新田次郎が総編集を担当。日本を代表する写真家が日本の山を北から順に撮影している。
日本の山を北から紹介する写真集はいくつもあるし、今回ぼくも同じヤマケイの「日本の山」(昭和44年 2,800円)を入手したが、これらの写真集とは時代の差に伴う印刷技術の問題もあるが、やはり写真のレベルが違う。

山渓カラー名鑑「日本の山1000」日本の山1000
多数の日本の山の写真を見たいのであれば、現行でも販売中の山渓カラー名鑑「日本の山1000」の方が良いだろう。この本は日本の山、1000座を北から順に写真と簡単な解説で紹介している。「日本の山」は234座である。

 しかし、「日本の山」をあなどってはいけない。目次(下の右の画像をクリックすると拡大)を見てわかるとおり、この写真集は山の写真だけではなく主要な高山植物の写真に加え、当時の一流の作家、写真家によるエッセイも寄せられている。「日本の山」は「日本の古本屋」でもけっこう安く出ているし、ヤフオクならさらに安く入手できるだろう。ぼくは500円で入手した。

日本の山
日本の山の目次

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祝 10,000km !


昨年末あたりだったと思うけど、夜、車に乗ろうとしたら、メーターがちょうど1万キロになっていた。
携帯で撮影してそのままになっていたのに、さっき気がついたので一応記念にアップ。
B4にして約1年で1万キロ、譲渡時が5千キロ弱だったので、年5千キロ、そんなペースですね。

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山の本漁り(その1 発端)

山の憶ひ出 復刻版 木暮理太郎 昨年12月上旬 1冊の古書目録が届いた。以前に何かを購入したことがある森井書店の目録だった。しばらくたって開封してみると望月達夫旧蔵品特集ということで氏を交友のあった深田久弥や串田孫一、槙有恒などの書簡を中心とした山岳書特集であった。
 冒頭をカラー写真で飾った立派な目録の中のひとつに中村清太郎の油彩があった。昭和の初期の蒲田川あたりから遠くに槍ヶ岳を望む「山岳遠望」との仮題がついた縦37センチの油彩だ。曇天の下、蒲田川が少し暗めに流れる中でも山は明るい緑に染まり、木道の桟道の先の空に、遠く大喰岳、槍ヶ岳が霞んでいる。価格は105,000円。うう~う、欲しい。

 中村清太郎の画を庶民が眼にするチャンスはめったにない。なにせ中村清太郎でグーグルしてもほとんどヒットしない。田部・木暮・中村の3人組のファンとしてはちょっと悲しい。
 中村清太郎の本は「山岳渇仰」を購入済みであるが、これが昭和19年という時期もあり紙質がひどく中村自身による挿絵の鑑賞もままならない出来、というのは以前にも書いた。中村の書はいくつかあるが、「山岳渇仰」以外は入手しにくく、絵となればなおさらである。
 価格が庶民から見ると微妙なところ。昨夏購入した20インチの地上デジタル対応TVと同じくらいの価格。でも目録が届いてから2週間近く経っているし、すでに売り切れている可能性も高いし、などなど思いつつ恐る恐る電話をしてみると、「あ、これは2日前に売れてしまいました」。
 残念・・・

 で、ちょっと、ほっとした。

もうひとつ掲載されていた「大井川奥山暮れる(上河内岳)」(上高地岳残照:367,500円)もためしに聞いてみたがこれは1週間前に売れたとのこと。まあ、こちらはあったとしても購入できる価格ではないし、絵としては残照に染まる上河内岳がすばらしいものの、「山岳遠望」のほうがしっとりしていてぼく的には好み。

 ということで、思いがけず中村清太郎の絵を見ることができたが、入手はできなかった。
この目録にはもちろん多数の山岳書が掲載されていたが、驚くべき価格も多く、木暮理太郎の「山の憶ひ出」愛蔵版100部限定ものなど上下2巻で892,500円!だ。山岳書もピンキリだが、もともと数が少ないのでブックオフで100円で購入というわけにはいかない。

 というわけで、中村の絵に10万円遣ったと思って少し山の本を探してみるかな、という感じでヤフオクや楽天フリマ、日本の古本屋を中心に漁ったのが以下の本たち(他にも少しあるけど)。
 ちょっと高かったかな、というのもあるが、写真集を中心にかなり安価で入手できたのが幸い。
すでにこのブログで書いたものもあるが、この他、とても手が出ないものは図書館で借りている。これから少しずつ取り上げていきたい。


書名著者・出版社購入価格
エーデルワイス写真集
わが心の山
日本山岳写真集団 角川書店1,050
わが南アルプス白籏史朗 朝日新聞社1,800
峠と高原田部重治 新潮社1,000
雪山・藪山川崎精雄 山と渓谷社1,050
日本の山岳名著 解題 復刻版日本山岳会 大修館書店2,000
日本アルプスと秩父巡礼 復刻版田部重治 大修館書店1,300
名峰シリーズ 尾瀬 白籏史朗 山と渓谷社320
豪華風景写真集 日本アルプス槙有恒 毎日新聞社4,000
ナチュラリスト 田淵行男の世界東京都写真美術館2,000
忘れえぬ山旅田部重治 三笠書房2,128
信州讃歌東山魁夷 求龍堂840
わが山旅五十年田部重治 二見書房1,050
諸国名山案内〈第2巻〉東北山と渓谷社570
山の憶ひ出 復刻版木暮理太郎 大修館書店5,500
千山万岳・山岳渇仰・山旅の素描志村烏嶺 中村清太郎 芝木猪之吉
あかね書房
1,000
ある偃松の独白中村清太郎 朋文堂1,000
田淵行男 日本の写真家 11飯沢耕太郎 岩波書店950
白籏史朗写真集「日本の名峰」山岳写真の会「白い峰」 800
日本の山山と渓谷社500
空撮 世界の名峰山田圭一 白水社565
アルプス讃歌白籏史朗 集英社800
日本アルプス田淵行男 国際情報社5,000
美しき山日本山岳写真集団 山と渓谷社2,000
名峰たちの四季新妻喜永他 山と渓谷社1,150
山 光と影山本和雄他 山と渓谷社1,000
静かなる山 正&続川崎精雄 茗渓堂 1,300

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黒部―志水哲也写真集

黒部―志水哲也写真集    山岳写真集

 志水哲也 「黒部―志水哲也写真集」を、見た。
 縦31センチのA4版、大型本である。
志水さんの写真集はそれまで見たものも良かったが、これを見たときに「やっぱり写真集は大型本がいいなあ」と思った。

 年末からいくつかの山岳写真集を購入したり借りたりしているけれど、改めて黒部渓谷という素材の稀さと迫力に気がつく。
 田渕行男、白籏史朗や四季や白い峰といった山岳写真集団の写真集を見てきたが、渓谷美をストレートに表現した写真は珍しい。特に岩肌の色が印象的だった。上の廊下の上ノ黒ビンガや剣沢大滝の岩の色が印象的である。
 ただし、構成は、写文集の「黒部物語」と違い通常の写真集なので、後ろに写真の解説がまとめてある。

 「黒部物語」とこちら(黒部)のどちら一方を購入するかといえばたぶん、「黒部」にすると思う。

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もう保険の季節

車(レガシーB4)の保険の更新案内がもう来てしまった。
というわけで、今回は以下の中から見積りを取ってみる予定。

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田部重治「わが山旅五十年」

わが山旅五十年    平凡社ライブラリーわが山旅五十年
 二見書房の山岳名著シリーズ、田部重治「わが山旅五十年」は、最初に買った山の本である。実家にあったものが廃棄されてしまったので、平凡社ライブラリーで復刊を知り入手しておいたが、なつかしい二見書房のものを先般、古本で入手した。

 明治42年(1909年)から昭和20年(1945年)までの記録なので「五十年」には看板に偽りありであるが、出版が昭和39年(1955年)なのでそういう題名になったのだろう。

 木暮理太郎との出会いから、日本山岳会の辻本満丸、小島烏水を交えた中村清太郎との出会い、その後の大黒茂谷の遭難ほか戦前の記録がたぶんすべて網羅され、昭和19年の木暮の死を以って山から遠ざかるところで終わる。

 戦前の教科書に掲載されて有名になった「数馬の一夜」や「笛吹川を溯る」は収録されていないが田部の山の記録の集大成といえる。

 さて、この本をはじめ年末からいくつかの古本を購入していて今更ながら気がついたのだが、有名な本は初版をはじめ、文庫やら復刻版やらいろいろな版が出版されるが、そのひとつひとつがかなりの程度異なっている、ということである。
 それは作者自身による校正の要望から出た手直しであることもあるが、収録されている文章の多寡、挿絵や口絵など装丁に関係するものなど多種多用であり、これらの違いを見ているとすべての版がほしくなってくるのが困る・・・。

 昭和39年に桃源社から初版が刊行された「わが山旅五十年」も手元にある平凡社ライブラリーや二見書房のものとかなりの違いがあるのでは、と思うが桃源社のものは1万円以下では入手できないので当分はあきらめることにした。

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SUUNTO X9 手抜きガイド

フィールドではぜんぜん活用していないので、ちょっと恥ずかしいですが、
SUUNTO X9 手抜きガイドなるものを作って見ました。

暗い道で時計を見ようとして「バックライトのつけかたが分からん・・・」と思ったのがきっかけです。

手抜きなので項目も内容も手抜きです。
こんなメニューです。

1.サブメニューへの移動
2.ストップウォッチを使う
3.時刻の設定
4.バックライトの点灯
5.NAVIGATIONとACTIVITYの違い
6.ナビの手順
7.ナビしないでGPSログだけとる
8.GPSのON/OFFメニュー表示
9.HOMEの設定
10.コンパスの調整方法
11.磁北偏差の設定

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志水哲也「黒部物語」

黒部物語

 またまた志水哲也の本を借りてみた。

「黒部物語」(写文集)である。

 まちがいなくいい本である。

大きさは、黒部からの言葉の3部作よりも一回り大きいA5版。
本文146ページで写真と文章の割合はざっくり6:4か7:3くらいか。
3部作もいうならば写文集であり、写真の間に文章があるが、同じ構成。
これはとても読みやすく見やすい構成だと思う。

最近、いろいろと山の写真集も物色しているが、写真がど~んと続いて、最後の方に細かい字で解説がある通常の写真集は、写真を見るのには良いがその写真の背景を知るために文を読むのがやりにくい。
「黒部物語」「大いなる山 大いなる谷」「果てしなき山稜―襟裳岬から宗谷岬へ」のごときハードな山行を続けていた志水氏が冬の鹿島槍から剣沢大滝への最初で挫折してしまうところから始まる。それ以降、美しく迫力ある写真とともにハードな山行から写真への目覚め、無謀な独身から家族を持つもの、20代から30代、という氏のハード・ソフト両面での変化を綴りながら写文集は続く。
 最初に「大いなる山 大いなる谷」を読んだときに、氏のサイトを見て、山岳ガイドの仕事予定が多くて、これで氏本来の山はやれるのかとの危惧を抱いたが、余計な心配であった。彼はガイドをしながら、今までとは別の歩き方をして黒部と向かい合っているのだ。

 そういう氏の変化も含めて、黒部の写真を楽しめる。

 黒部といえば修学旅行でアルペンルートを通ったことがあるだけのぼくにとって、黒部源流はずっと昔から憧れの場所であり、たぶん今後も行く機会がたぶんないと思える場所である。そういう個人的な事情もあり、黒部関係の本は好きなのである。

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山と渓谷社「登山講座」昭和18年目次

昭和18年に山と渓谷社から「登山講座」全6巻が出版されている。

 第5巻に木暮理太郎が「東京から見える山」を執筆している。内容は「山の憶ひ出」下巻に掲載されたものと同じであるが、「登山講座」には木暮直筆の展望図が記載されている。これが欲しくて6巻セットを入手したものだ。
世相を反映して紙質や印刷のレベルはかなりのもの。内容も時代の要請か軍からみのものもあるが、貴重な資料もある。
 しかし、手軽に読み返すというようなものではなく(すぐに破れる・・・)ふだんは書棚の奥深く眠っている。ちょっと見たいと思ってもどの巻に何が掲載されているのかわからない。
 で、自分のために目次だけをデジカメで撮影してアップしておくことにした。

登山講座の目次画像

【ぼく的に主な記事】



題名著者巻数
偃松の匂ひ木暮理太郎
地名考説柳田國男
南アルプス登山案内平賀文男
奥秩父・外秩父登山案内原 全教
山岳写真岡田紅葉
山の画集中村清太郎
雪質とクリスチャニア三浦敬三
春雪とクリスチャニア三浦敬三
山岳スキーと外傾技術猪谷六合雄
春山覚書川崎精雄
雪の画集茨木猪之吉
天孫降臨と山岳崇拝丹羽生洲
東京から見える山々木暮理太郎
京阪から見える山々藤島亥治郎
山岳展望正井暉雄
随筆山叉山小島烏水
登山と探検今西錦司

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Garmin Forerunner205/305

なかざわさんがブログで紹介しているけど、Garmin Forerunner205/305のデザインとサイズは山やにとって期待を持たせる。Forerunnerはその名のとおりランニング用のGPSツールで、GPSログの記録はもちろん、心拍数モニターなど山やにとっても魅力的な機能を持つが、心拍数モニターだけならSUUNTO X6HR/X3HR/T6とかのSUUNTO製品がサイズと実用性があるように思えた。そしてなんといってもForerunner301までのシリーズは、横にデカイ。
 ぼくがSUUNTO X9を無理して買ったのもForerunnerシリーズのデカさが好みでなかったから。
 しかし205/305のサイズであれば(もちろん価格次第だが)かなり食指が伸びる。
 ネックとなるとすれば日常生活で使えるかどうか、すなわち腕時計としても使えるのか、専用ツールとして割り切るのか、というところである。

いずれにしてもGarminから暫く目が離せない。

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志水哲也「黒部からの言葉」三部作

黒部 幻の滝黒部下の廊下黒部上の廊下と源流


 志水哲也さんの写真集を3冊図書館で借りてみた。
 左の写真の3冊である。「黒部からの言葉」シリーズというもので、氏がもっとも力を入れた幻の滝、そして下の廊下上の廊下と源流の3冊。
 「幻の滝」は氏の独自の撮影に加えて、NHKのロケ隊とのものだ。TVでも放映された「緑の台地」までのザイルシーンも出ている。
 B6版と通常の単行本と同じサイズで、一般的な写真集よりは小ぶりであるが、その分、価格も安価である。出版にまつわる事情もあったのかもしれないが、このサイズ、この価格での写真集は貴重だ。大きめの写真集だと本棚から取り出すのも読むのにも力が要るが、通常の本と同じだと気負いなく読める。しかもこのサイズの単行本によくあるソフトカバーではなく、立派なハードカバーである。
 この考えは著者にもあったようで3冊めの最後に「「黒部」(氏の最初の写真集)と「黒部物語」(写文集)はそれなりの気負いを持ってページを開いてほしい本。一方、シリーズ三部作は寝る前に枕元に置いてもらえる、絵本のようなものにしたかった」とある。あとがきを見ると三部作がすっぽり収まるケースもあるようだ。

 さて、ぼくの好みではやはりもっとも絵本的な「上の廊下と源流」だろうか。「幻の滝」は絵本というにはちと厳しい迫力だ。資料的価値や志水らしさ、という点では三部作の先頭を飾るにふさわしい。同じ激しさの系統に「下の廊下」が続く。
 TVを見ただけではこの三部作を見てもあまり感じるものはないかもしれないが、先日、「大いなる山、大いなる谷」を読んだばかりなので息遣いが聞こえるように思えた。いい本だと思う。

p.s これを書いたあと、DVDに録画した志水さん主演?のNHKTV「黒部 幻の大滝」を見てしまいました。ぼくが録画したのは教育TVで放映した20分の短縮版。ハイビジョンでやったフルのヤツを早く再放送してほしい。

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挿絵で読む「坂の上の雲」をゆく

挿絵で読む「坂の上の雲」をゆく〈上〉挿絵で読む「坂の上の雲」をゆく〈下〉
産経新聞取材班「「坂の上の雲」をゆく」を読んだ。

 日本史には、元気な時代とそうでもない時代がある。ま、あくまで主観だが。
元気な時代は、新政権ができたり大改革がされる時だろう。聖徳太子の時代、大化の改新から源平、戦国時代などがそれにあたる。近世以降では幕末期がそうなるが、明治になってひときわ輝けるピークが日露戦争前後だったように思える。
 その時代を描いた、司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読んだのは学生の時。もう一度くらい読み直してもいい本であるが、なんせ長い。最初に読んだときはいつ203高地が陥ちるのか、バルチック艦隊はまだか、と思いながら読んでいた。
 歴史の先生が参考図書として、本書に加えて島田 謹二の 「アメリカにおける秋山真之」「ロシアにおける広瀬武夫」をあげたので秋山の方は読んだが、広瀬は挫折した覚えがある。
ついでにいえば「アメリカにおける秋山真之」は米西戦争の観戦武官としてアメリカにいた秋山のレポートであるが、けっこう面白かった。

坂の上の雲
 さて、冒頭の「「坂の上の雲」をゆく」は、図書館で見つけたものだったが、楽しく読めた。産経新聞で坂の上の雲が再連載されたときに並行して連載された関連するコラムであり、明治の一時期、日本がそれ以降、間違った方向に行く前の時代を、秋山兄弟はもちろん、日露戦争を支えた一般大衆の動きまで、非常に広範なコラムである。いろいろな登場人物の子孫や史跡を支える地元住民へのインタビューも多いがこれもいい。

 祖父母の代がどんどんいなくなり、本当に明治は遠くなった。
 「坂の上の雲」は戦争の話ではなく、日本が輝いていた時代、まだまだ一般民衆が「私」を捨て自然と「公」に尽くせる時代を描いた物語であると思う(本書にもそのような記載があるが)。
 「坂の上の雲」をゆく、は基本的にはコラムなので「坂の上の雲」を読んでいなくてももちろん楽しめる。たとえ日露戦争そのものを知らなくても読んでいくにつれて明治という時代とこの戦争の位置付けは浸透してくるだろう。 
 それと、この本、上下2冊だが、挿絵と写真が多いので文章はとても少ないのですぐに読める。
しかも上下でストーリーがあるわけではないので、上下を交互に読める。いちおう上下で時代順にはなっているが・・。

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志水哲也 「大いなる山 大いなる谷」

大いなる山 大いなる谷

志水哲也 「大いなる山 大いなる谷」を年末年始で読んだ。

志水哲也氏についてはこちらでも少し書いたが、たまたま本を見たので入手した。

すばらしい。凄い、というべきか。
これほどまですべてを捨ててのめりこむ人がいるのだ。

 NHKのTVで氏を最初に見た番組は有峰から高天原と黒部の源流をめぐる氏にすれば伸びやかな山旅だった。その後、黒部の剣沢大滝を遡行する番組を見た。剣沢大滝の番組では氏の岩稜技術を垣間見た。
この本は17歳での北アルプス夏季全山縦走から黒部の全流域遡行(この中には剣沢も含む)、谷川岳衝立岩、ドリュ単独登攀、南アルプスと知床の冬季全山縦走、日高春季全山縦走が収められている。
これだけの期間、山に入るだから学生のとき以降は定職はなく、アルバイトで資金をためて山にこもっている。
本書は氏が山中でつけた山日記の集大成であり、そのときの気持ちや感動・挫折などがストレートにつたわってくる。名文ではない。しかし読ませる。
 ぼくは岩も沢もまともな冬山も経験がないが、そういう相手をも引き込む素直で印象的な文章である。
長期の山行に入る前の気持ち、終盤が見え、次に何をすればいいのかと悩み寂しさにとらわれているのが氏の山行のいつものパターンである。

 そんな志水さんは今は山岳ガイド兼写真家である。
 氏のウェブサイトを見てみた。
3月までのガイドプランがびっしりと並んでいる。ほぼ毎週末である。
 これ以外の平日も相談により個別のガイドをするらしい。
 どの程度の応募があるのかは不明ではあるが、ガイド稼業は順調そうである。
 しかし、こんなにガイドばかりしていて、大丈夫なのだろうか、山への情熱は持ち続けられるのだろうかとも思わなくもない。

さて、ガイドプランをざっと見てみたがさすがに積雪期、手がでそうなものはほとんどないのは残念。

p.s ぼくの持っているのは95年の第3刷だが、2004年に新装版が出ている。表紙がちょっと明るめになって、あとがきが変ったようだ。
あとがきは、こちらに掲載されている。 
 お、新装版の方が安い・・・。

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