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福島功夫「山の名著30選」「新・山の本おすすめ50選」

山の名著30選

新・山の本おすすめ50選

 福島功夫「山の名著30選」と「新・山の本おすすめ50選」を読んだ。
本を選ぶというのは割りと楽しい作業である。有名な本はいくつもの紹介本で紹介されているのでそれだけ読んだ気になってしまう危険があるが。

前者には「モダン・アルピニズムをリードした知性たち」と副題がついているので、選んだ本もそれよりである。この本は「山の本の本」としてはかなり面白い。この手の本を読んだことがない人でも入りやすいように序章「日本登山界の歩みと山岳図書」があるが、なかなか簡潔によくまとまっている。
海外編が16選、国内編が14選であるが、なじみが薄い海外編はともかく、さすがに国内編はよく知られたものが多く、題材としては陳腐であるが、解説はそれぞれに面白い。で、実は最後についている「付・読んでおきたい山の本50選」が短くかつ面白い。で、この50冊にあげられた本のいくつかは「新・50選」にも登場している。
 いずれも著者のキャリアや好みを明確にしておいて、ある部分は好みで評価しているのが逆に信頼感がある。

「新・50選」は1994年から2003年までに刊行された割と新しめ、という意味である。この期間には復刊も含まれる。

で、「新」で紹介された書物ですでに読んでいた本と読みたい本についてコメントしてみる。

山の憶い出:いわずと知れた木暮理太郎の名作。この本に収録されているのは平凡社ライブラリーにて復刊したためだ。ぼくが持っているのも平凡社ライブラリーである。まあ、日本の山が好きな人、山の展望が好きな人には必読の書である。

日本の山はなぜ美しい:小泉武栄さんの名著は読んだと思って書棚を探したら出てこない。他のものを読んだのだろうか・・・。

神々の山嶺:大衆小説が紹介されること自体が通常はないのであるが、新田次郎が作った山岳小説のイメージを塗り替えたという意味で非常に重要ということで紹介されている。たしかに面白かったです。8000メートルの世界がなんとなく理解できた。文庫本化はもちろん劇画にもなっている。

山麓亭百話:横山厚夫さんの3部作は借りて読んだ本だったが手元にあってもよい。ぼくは手元に置く本としては同じ山の本の紹介本である「山書の森へ」を選んだ。

八ヶ岳挽歌:もちろん山口耀久さんの本である。挽歌といいながらも嘆くだけではないところが良い。

読んでみたいと思う本としては・・・。

果てしなき山稜: 志水哲也の北海道襟裳岬から宗谷岬までの縦断記。この人の名を最初に知ったのはごく最近でTVで黒部の上廊下をめぐるものだった。紹介によれば黒部の番人として山岳ガイドと写真家になる前はかなり先鋭的な山をやっていたようで、この本は北海道の山よりも氏についての興味があるので読んでみたい。志水さんの本は「30選」の「付・50選」にも取り上げられている。

現代日本名山図会:三宅修。 もともとの谷文晁のものよりも興味あり。こういうのはまさに好みの世界であるが。

七つの最高峰 お金持ちの中高年のおじさんふたりが金にもものを言わせて世界の大陸最高峰に登ってしまう。金があれば何でもできるのかもしれないが、金だけではできないことでもある。


エンデュアランス号 シャクルトンによるエンデュアランス号の漂流とその奇跡の生還は映画にもなっているし、一時期はリーダーのモデルとしてビジネス書でも盛んだったらしい(この時期にさすがにビジネス書は読んでいなかった・・・)。暇があったら読んでみたい。

チベットを馬で行く 椎名誠の本はほとんど読んでいるが、その奥さんの本はまだ読んだことがない。椎名さんの本では「妻はまたチベット」という記述がよく出てくるが、チベットの何がひきつけるのか。

ビヨンド・リスク 「七つの最高峰」とは正反対の位置にいるトップクライマー17人の人生観は見ておいてもいいかな。

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