「山あるきを楽しむカシミール3D活用術」
カシミール3Dの5冊目の解説本山あるきを楽しむカシミール3D活用術が刊行された。
カシミール3Dの解説本はすでに入門編、GPS応用編、パーフェクトマスター編の3部作と図解実例集1(初級編)が出版されている。入門編で全機能を網羅的に解説した後は、GPS応用編以降は、より深く広い機能を探るものであり、入門編レベルの知識が要求される面があった。要するに「入門編」以降は「入門編」よりは難しい操作が多かった。
しかし「山あるきを楽しむカシミール3D活用術」は、カシミールの基本機能に立ち返った解説本である。「入門編」の知識は必要ない。もちろんあるに越したことはないが、「活用術」だけでカシミール3Dの基本操作(地図閲覧、登山道・ルート図・展望図の作成やデジカメ写真の整理等)ができる。
ぼくは、GARMINのハンディGPSの使い方を公開しているので、ときどきアンケート回答のメールをいただくが、ルートナビなど登山に直接必要な機能をもっと解説してほしいというメールが多い。カシミール3Dについても、もっと登山の準備などに使いたい、そんな解説本が欲しいという要望が多いのではないだろうか。そしてそれを実現したのが今回の1冊なのだろうと勝手に思っている。
最初の解説本「入門編」の刊行は2002年4月、カシミール3Dのバージョンは7.2.5。活用編に収録されたバージョンは2005年10月現在の8.6.7である。基本機能やユーザインターフェースに大きな違いはないが、地図スクロールや各種のデータ編集等に細かな進化があり、初心者が「入門編」を読みながら8.6.7を操作するのはややわかりにくい部分も出てきているから、最新版をベースに基本機能に絞った解説書の刊行は時機を得ているだろう。
本文の構成も従来、冒頭にあった「本書をお読みになる前に」「カシミール3Dのインストール」を巻末に廻したので、PCを前にしなくても最初の「基本操作」の項を読み始めることができる。最初にインストールとか地図のコピーなどPC寄りの話が出てくると、ここで躓いてしまい次に読み進めなくなる人もいるだろうから、「活用術」のこの構成の方がとっつきやすい。
厚みも今までで一番薄く、価格も1500円(税別)と解説本の中では最安価。しかもアマゾンなどのネット通販で送料がかからない設定である。
というわけで、初めてカシミールにさわってみようという方はもちろん、「入門編」と最新バージョンとのギャップに苦闘している方にもお勧めできる1冊である。
なお、「活用術」の地図は従来の解説本とは別の地図セットとなるので、解説本の地図と1画面で同時に開くことはできない(地図ウィンドウを別にすれば開ける。下図参照)。
作者のDAN杉本さん自らの解説はこちら。
「活用術」と「解説本」の地図セット
![]() 地図セットは従来の【解説本】とは別の【ハイカー本】になる。 |
![]() 【解説本】地図セットと【ハイカー本】地図セットは1つの地図ウィンドウでは同時に開けない。 |
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