続・改憲問題を読む
著者は若い(といっても1956年生まれだが、まあ同年代は若いということにしておく・・・)憲法学者で名前だけは知っていた。
読んでいる間はあるときはイライラしながらも、読み終わったあとに、目から鱗が落ちる思いのする本であった。
以下は、購入を迷っている人のためにと著者が書いた「あとがき」からの引用。
第一に「憲法と平和」とくれば、憲法に反する自衛力の保持を断固糾弾し、その一日も早い完全破棄と理想の平和国家建設を目指すべきだという剛毅にして高邁なるお考えの方もおられようが、そういうう方には本書はまったく向いていない。
第二に、「憲法と平和」とくれば、十分な自衛力の保持や対米協力の促進にとって邪魔になる憲法九条はさっさと「改正」して、一日も早くアメリカやイギリスのように世界各地で大立ち回りを演じることのできる「普通の国」になるべきだとお考えの、自分自身が立ち回るかはともかく精神的にはたいへん勇猛果敢なお方もおられようが、そういう方にも本書は全く向いていない。
(中略)
となると、本書はどういう方に向いているのかだが、筆者としては、以下のようなかなりトッポイ疑問のうち、いずれかがいままで一度でも心に浮かんだ方には、向いているのではないかと考えている。
①国家はなぜ存在するのか。国家権力になぜ従うべきなのか(それとも従わなくてもよいのか)。
②人が生まれながらに「自然権」を持つというのはいかにも嘘くさい。そんな不自然な前提にたつ憲法学は信用できないのではないか。
③多数決で物事を決めるのはなぜだろう。多数で決めたことになぜ少数派は従わなければならないのか。
④女性の天皇を認めないのは、男女平等の原則に反するのだろうか。
⑤憲法に書いてあることに、なぜ従わなければならないのだろうか。とっくの昔に死んでしまった人たちが作った文書にすぎないのに。
(以下、略)
この本に明確な答えは記載していない。
しかし、読んだあとに自然に答えがわかってくる。
リンク先のアマゾンの読者レビューも参考にされたし。
Recent Comments