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初期のCGについての駄文

「初期のCG」に少しコンテンツを追加した。といっても「初期」のものなので新たに作成したわけではなく、リンクを整理したり、ディスクスペースの関係でアップをやめていたものを再アップしただけである。

 CGといってもぼくが作ったのはすべて山岳展望のものだ。作成し始めたのはカシミール3Dがデビューする直前くらいで、カシミール3Dの作者のDAN杉本さんが作成していたNEC PC98用のソフト「CH SYSTEM」(CHはContour Highの略だと以前にお聞きしたような記憶があるが、日経ソフトウェア12月号のインタビュー記事では少し違っていたような・・・。このソフトの鳥瞰図作成機能とムービー作成機能はカシミールに移植したとやはり「日経ソフトウェア」の同記事にあった)と、Kragenさんの「MoV」そして、AISoftが発売していたVistaProである。
 CH SYSTEMによる穂高

 「CH SYSTEM」の機能には当然びっくりした(98用のDOSソフトなのにマウス操作のマルチスクリーンのインターフェースだった)が、もっとも驚いたのは大量かつ精緻な操作マニュアルだった。プログラミング能力とドキュメント能力が正比例しないソフト業界(のようなものだった、本業は違うけど)に身を置くものであれば、あのマニュアルを見ただけでソフトウェアの完成度がわかる。(それでも作者ご本人にすると不満だらけだったそうである)

 「MoV」(Mountain and Valleyの略と形のイメージが命名理由だと本人にお聞きした覚えが)は数値地図が当初から使えた。だからお金さえあれば、1/25000地図1枚分で9700円もした数値地図を購入すれば全国どこの山でも描画できた。Movの作者のKragenさんはボーナスほとんど全部を数値地図に投資して飯田線ムービーを作ったといわれる(本人は否定しなかった)。 Movの作品集は少ないが前述のムービーなど以外に作者によるサイトがいい。かなり初期の頃から衛星画像のマッピングなどにトライしている。

 「VistaPro」はゲームの背景などの制作に使われたプロ用のソフトだったので別の意味で画期的であった。テクスチャーマッピングができ、ムービーのルートをマウスで簡単に設定できた。数値地図をこのソフト用に変換するユーティリティソフトも有志が開発してくれた。(VistaPro2からは数値地図コンバータも同梱されるようになった)
 今、見てみると拙いできばえであるが、最初に作った屏風岩の1枚を某業界の方からほめられてちょっといい気になったことも懐かしい。


そんなソフトを使ってもコプロなしの最初の98の能力では静止画1枚に1番かかった。しかも、PCとソフトに精通していないとCG1枚描けなかった。

 いまやアウトドアをやる人ならカシミール3Dを使わない人のほうが珍しいかもしれない。
 もちろんPCの能力アップとすばらしいソフトのおかげである。
 展望CGはかつてのマニアのものからアウトドアユーザのインフラになってきた。

ぼくのカシミールの使い方も最初の頃からずいぶんと変った。
 カシミール3Dはもともとは可視マップ作成ソフトであったが、可視マップにあまり興味がなかったぼくは、3D描画を中心に使っていた。この頃がもっとも熱が入っていた頃で拙作サイトに散在するCGの多くはこの頃に作ったものが多い。カシミールのムービー機能で出力する連続BMPをAVIムービーにするためにAVIMakerというフリーソフトを作ったのもこの頃である。

 今やGPSやデジカメとの連携で使うことのほうが多くなった。もちろん3DのCGも作るけれども多くはGPSのルート図を立体的で描いたり、山座同定のためであって当初の頃のCG作成の目的(展望を再現したい)とはかなりずれてきている。
 山座同定のためのカシバード利用は当初の目的に近いけれども、この目的で描画するときは地形表現はどうでもいい(というか、そんなことを気にしなくても、カシミール3Dの標準的な機能で十分見栄えがする)。

3Dの描画を始めた頃の熱意とPCとソフトにちょっと精通しているかなというほのかな優越感を胸に秘めていた当時を思うと、今が少しだけ寂しくもある。

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