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「蹴りたい背中」「蛇にピアス」「アフターダーク」

蹴りたい背中
蛇にピアス

 手軽に読めそうな若い女性の芥川賞作品ともなると、地元での図書館ではいまだに予約件数が200件を超える人気がある。これでは10年たたないと読めそうにないので、セットでヤフオクで仕入れた。

 昨日届いたのでさっそく2冊を読んでみた。

蹴りたい背中 アマゾンのレビューでは「特に最初の7行がすばらしい。ぜひ声に出して読んでいただきたい。」とのことでしたが、ぼくはここが一番読みにくかった。最初の2ページがもっともつかえてしまった箇所で、一瞬、読み通せないかも、と心配した。
 が、杞憂はそこまでであとは軽く読み進んだ。
 さすがにこの歳になると主人公の年代の記憶もかなり薄まっているものの、共感できる部分は割りとあった。
 全般に描写が細かくて、慣れない人(=おじさん)にも楽に読める。

蛇にピアス こちらも最初はついていけるかどうか不安な描写が多い。ぼくとはまったく世代も価値観も違う行動や価値観に戸惑いながらも、徐々に惹きこまれる。
 こちらの方が「蹴りたい」よりも過激ではあるが、それゆえに面白く読めた。
 小説としては「蹴りたい」よりも面白い。

アフターダーク

面白いという意味では、最近読んだ村上春樹「アフターダーク」よりも素直に楽しめる。村上春樹は好きな作家であるが、読めば読むほど暗くなる・・・。


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すぐできるカシミール3D図解実例集

すぐできるカシミール3D図解実例集 1 初級編
今月刊行されたカシミールの解説本「すぐできるカシミール3D図解実例集 1 初級編」を入手した。

すでにカシミールを使いこなしている方には、今更、という印象の「初級編」に見えるが、実はそうでもない、というのが第一印象。

この本、書名は「カシミール3D」であるが、正確には「(カシミール3Dの中の3D機能である)カシバード詳細解説編」である。
もくじを見ると第四章以降はなかなかの中級編である。

うぉちずと従来の1/25000地図
 さて、この本のもうひとつの目玉はやはり付属のDVD-ROMに収録された地図データである。
 今までの解説本には地図画像として5万分の一地形図が収録されていた。山旅倶楽部で提供しているのは2万5千分の一地形図なので、5万分の1は貴重だったが、一方で山歩きに使うには5万分の一は粗い。
 今回、関東甲信越限定とはいえ2万5千分の一地形図が収録されたことは大きい。
2万5千分の一地形図は国土地理院の地図閲覧サービス「ウォッちず」があり、カシミールでもこの地図を使うことができる。こちらの地図はデジタル化されていてある意味見やすいとも言えるのであるが、山旅倶楽部で提供される紙地図(地図画像)の2万5千分の一に比べてなんとなく物足りなさが残る。

「ウォッちず」(左)と今回の2万5千分の一(右)の地図画像をカシミールで並べてみたのが左の画像。改めて見比べてみると情報の細かな違いに気がつく。(クリックすると別フレームで原寸に拡大します。685KB)。
赤城山周辺であるが、最高峰黒桧山の南にある駒ヶ岳の表示が「ウォッちず」にはない。それとまったく個人的な好みの問題であるが、等高線の色や太さとかがどうも「ウォッちず」の仕様になじめないのです。山名の文字も右肩上がりの紙地図特有の書体に慣れてしまっていて・・・。特に等高線については紙地図の方は見ているだけで立体感を感じることができるが「ウォッちず」の方ではどうもイメージがしにくいのだ。

・・・というような古い世代にはやはり紙地図ちっくな本来の2万5千分の一地図画像は貴重なのだ。

解説本3部作の最終巻「パーフェクトマスター編」は2,600円であったが、今回はDVD-ROM付きで2,400円に収まっている。

さて、この本、書名の最後は「1初級編」となっている。2以降も刊行されるのだろうか、またその時には地図はどんなものが収録されるのだろうか・・・。
それよりも、これだけの本を執筆し、日夜カシミール3Dのメンテナンスをこなし、きっと本業もこなしているDAN杉本さんはいつ山を歩いているのだろうか・・・。

(注)この文章では「地形図」「地図」「地図画像」等の用語が感覚的に使用している部分があり、国土地理院の定義とは必ずしも一致していないと思いますのでご容赦ください。

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「てつ」ビブラム張替え

鉄人運動靴「てつ」

1月に完成したゴローのタウンシューズ「てつ」の靴底を張り替えた。
 「てつ」は1月以来、まったく好調で、裸足でサンダルで過ごした夏の休日を除けば、ほとんど毎日履いていた。
当然、靴底も磨り減ってきて、張替えも時間の問題だなあ。
でもその前に、替えの「てつ」がほしいと思い、ゴローに足を運んだのが9月の末。
 足型を取ってもらい、前回の「てつ」、 その前のブーティエル(山靴)の時の足型と見比べててサイズを決めてもらうったあと、店員さんが磨り減ったぼくの「てつ」に見かねて、減っている後部に合わせて底をけずってくれた。
「これで少しはよくなるはずですが、1ヶ月以内に張り替えてください」
 
底が揃った「てつ」はまた元に近い履き心地になったが、今週の水曜日に張替えに出した。
靴の修理作業日は毎週木曜なので、水曜日に出せば金曜日に完成で、土曜日には配達される。
ということで、ビブラムが新品になった「てつ」が今日、土曜日に届いた。

代わりの市販品の靴を履いていたのは3日ばかりであるが、以前は気にならなかった踵の浮きとかが気になって日中、何度も靴紐を結びなおしていた。

リニューアルされた「てつ」は、外側についた傷やゴアテックスインナーの汚れ具合で自分のものであることがわかるが、当然ながら底が新しくまだ角がとれないので、履いた瞬間に少し違和感があったがすぐに慣れた。やはり張替え前とはぜんぜん履き心地が違う。ケチらないで早めに張り替えたほうがいいなあ、今後は。

替えの色違いの「てつ」ができるのは11月になってからだ。

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最強のザック マウンテンダックス

登山用のザックと言えば、フランスの老舗ミレー(MILLET)やイギリスのカリマー(karrimor)が有名である。
が、ぼくは、国産のmoutain daxが好きである。

初めての北アルプスへのシーズン前に、フラグシップモデルのMt.Asgardを購入した(リンク先は最新モデルであり、ぼくが持っているモデルではないです。念のため)
なんといっても安い。
国産モデルなので、少なくとも関税とか輸送費分は安い。
同レベルの海外製品の3割は安かった。

しかし、いかんせん70リットルを日帰りハイキングに使うのはちと無理がある・・・・。

ぼくのハイキングザックは14年前に、まだこじんまりした登山用具店だったころのさかいやオリジナルの30リットルと最近ちょっとメジャーになってきたセロトーレの20リットルがあるが、さすがに14年前モデルはがたが来たので、30リットルザックを探していた。

20リットルのセロトーレは日常生活の必需品ですが、これで行けるのは日帰りならぬ午前帰りの霧ヶ峰散歩くらい・・・。
最近活躍の場がない(そんな山に行っていない)アスガードを使おうかとも思ったのですが、「ザックは大は小を兼ねません」というどなたかの台詞にも心を動かされて、新規のザックを探しました。
 で、カリマーにもミレーにも多少の食指が動いたものの、やっぱりマウンテンダックスが間違いない、ということで探したのですが、まず、取扱店が少ない。おなじみのさかいやも取扱店になっているのですが、実際に行ってみるとミレーやカリマーばっかり・・・。というわけでネットで見つけたので、物も見ずに、購入ボタンをクリックしてしまいました。

エルドラド ダークレッド×ダークグレー というわけで、ぼくの新しいパートナーのマウンテンダックスのエルドラドです。

写真だと赤がオレンジ・朱色っぽいですが、ホントの色はもっと深い赤、フェラーリレッドっぽい、です。けっこう渋い。
フロントパネルはよく考えられている。ウェストベルトにはちゃんと小物入れ用のファスナーもあった。
悪くいえば海外の売れ筋のザックの亜流なのかもしれないが、細かい部分にこだわる日本人的なザックには間違いない・・・。

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「イノセンス」の正しい?見方

イノセンス スタンダード版GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 1攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 02

押井守「イノセンス」を見た。前作の「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」はその前に見た(こちら)。

 で、今週、TV版の「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」の1巻と2巻をみた。上の右ふたつ。

 原作漫画は見ていないので、はずしているかもしれないが、この作品は本来(漫画版)→TV版→劇場版→イノセンス、という順番で見るべきものかもしれない、と感じた。

 さて、最初に劇場版を見たぼくは草薙素子とはクールなサイボーグにしか思えなかった。イノセンスでは草薙素子はその素顔すら出てこない。少なくとも劇場版を見ていないとイノセンスの細かい台詞は理解できないだろう。ストーリー的には「イノセンス」のほうが素直で雄大で分かりやすい。
 TV版も2巻しかみていないが、これをみてはじめてわかった「イノセンス」の台詞もあった。

 というのがストーリー重視、キャラクター重視の見方。劇場版やイノセンスに登場するキャラクターを深めたいのであれば迷わずTV版がいい。

 一方で、テクニック重視、すなわち押井守のアニメ技術をみたい人は迷わず「イノセンス」をいきなりみればいい。「GHOST IN THE SHELL」から9年たつとはいえ、アニメーション(CG)という点では「イノセンス」のアニメはド肝を抜くできばえ。
 もちろん9年の間のコンピュータの計算速度の進化からすれば当然なのかもしれないが・・・。ここまでアニメでやる必要があるのか、ここまでアニメでやるのと実写とでどの程度コストが違うのだろう、とか考えてしまった。

 TV版は劇場版公開のあとに作成されたので技術的には劇場版に近いできであるが、やはりお金と時間をかけていない、というところはあるが、それはTVらしくていい。
 少なくもと、これを見た後にTV版の「エリア88」を見るとアニメとしてはがっかりくるだろう。よかった「エリア88」を先にみておいて・・・。

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新デザインのSUUNTO VECTORとPolar

SUUNTO VECTOR 2004モデル

SUUNTO VECTORの色とデザインが少し変更になった。
 色:定番だったイエローとけっこう派手っぽいフェラーリレッドがなくなってしまったのは残念。ぼくが使っているシャンパンゴールドも見当たらない。新色はカーキ。こいつは文字盤が黒い。

 デザイン:方位を示す回転ベゼルの方位表記が東西南北(NSWE)から360度方式になった。
気持ち的にはNSWEの間を数字にしてほしかったが・・・。ベゼルの形状も微妙に変化しており、滑り止めの突起の形も変更されている。

SUUNTOのサイトを見てもVECTORはこの2色しかない。機能的には変らないが旧モデル在庫が値崩れを起こすかもしれない・・・。


S720i
 と、いいながら、最近興味があるのはPolar(ポラール)である。
 心拍計である。
 自転車、ジョギングをやる人には必須のツール。中でもPCにデータを転送できるS610iは手ごろな価格ともあいまって人気が高いようだ。
 いちおう、クライマーの端くれとしてはS610iよりも高度計がついたS720iに興味がある。

 そういえば、SUUNTOにも心拍計機能付きのものもあった。
 X6HRとかアドバイザーである。オレンジのはけっこうカッコイイかも。

楽天でPolarS720iを探す。

楽天でSUNNTO X6HRを探す。

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内側から見た富士通「成果主義」の崩壊

内側から見た富士通「成果主義」の崩壊
「内側から見た富士通「成果主義」の崩壊」を読んだ。
 富士通の「成果主義」が失敗したのは有名な話だし、秋草社長(当時)が赤字の理由を「従業員が働かないせいだ」と言い放ったことは、ビジネス雑誌とは縁遠いぼくでも知っている。
 富士通・元富士通の知人も公私に渡りそこそこいるし、それなりに愚痴や世間話は聞いている。
 そういうわけで、少し前に本屋を見たらなぜか山積になっていたが、購入してまで読もうという気にはならなかったが、購入しないで読めたので読んでみた。

 まずは光文社ペーパーバックスの独善的な英語交じり表記が読みにくい。最初は著者の意向かと思ったがそうではなかった。たまには「ああ、英語だとこう言うのね」と思うことはあるが、ほとんどは邪魔。途中から無視したら、通常の速度で読めるようになった。
しかしどのフレーズを英語にするのか、その表現が英語として正しいニュアンスなのかまで著者はチェックしているんだろうか?

 さて、人事にいたということで一般社員よりもそれなりに詳しい実態が報告できている点は「読み物」としては面白い。
が、質的には「2ちゃんねる」に毛が生えたレベル、というといい過ぎなら、「はみだし銀行マンの勤番日記」横田濱夫と質的には同じくらいだろう。自分の通常業務で把握できたレベルでの報告しかなく、その原因を探ることもない。
 著者は「上司の目標や評価をオープンにすべき」とか「降格がないのはおかしい」といっているがが果たしてそうだろうか。現場の上司の目標は職場の目標とリンクしているはずであり、各レイヤーで詳細に公開することがいいこととは思わない。上司の個別の業務目標は部下には理解できないことや理解させたくないこともあるから。
 「降格がないのはおかしい」というのは「資格と報酬」を分離する成果主義の基本的な考え方と矛盾している。これが「減給がないのはおかしい」というならわかるが。

 最後の方に人事部は社内エリートでそれこそが諸悪の根源のような理論が展開するが、この作者レベルでエリートの仲間入りできるのであればそもそも人材難なのかもしれない。

P.S この本、著者の履歴が一切記載されていない(見落としかも)。「成果主義」が施行されてからの入社、途中から人事部にいた、富士通を辞めたことは読めばわかるが。それ以外の履歴は書きようがないのか書きたくないのか、何もないのか。
 こういう内部告発的なものでしかも(作者としては)まじめに取り組もうとしている本であれば書く側の職業的あるいは思想的な背景を知りたい。途中に出てくる幼稚なロジックを見るたびに、「うう、この人何歳なんだろうなあ。成果主義以降の入社だから94年以降の入社か、じゃあ30代前半かなあ」などと勝手に「大人度」を想定することしばし・・・。

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