すぐできるカシミール3D図解実例集
今月刊行されたカシミールの解説本「すぐできるカシミール3D図解実例集 1 初級編」を入手した。
すでにカシミールを使いこなしている方には、今更、という印象の「初級編」に見えるが、実はそうでもない、というのが第一印象。
この本、書名は「カシミール3D」であるが、正確には「(カシミール3Dの中の3D機能である)カシバード詳細解説編」である。
もくじを見ると第四章以降はなかなかの中級編である。
さて、この本のもうひとつの目玉はやはり付属のDVD-ROMに収録された地図データである。
今までの解説本には地図画像として5万分の一地形図が収録されていた。山旅倶楽部で提供しているのは2万5千分の一地形図なので、5万分の1は貴重だったが、一方で山歩きに使うには5万分の一は粗い。
今回、関東甲信越限定とはいえ2万5千分の一地形図が収録されたことは大きい。
2万5千分の一地形図は国土地理院の地図閲覧サービス「ウォッちず」があり、カシミールでもこの地図を使うことができる。こちらの地図はデジタル化されていてある意味見やすいとも言えるのであるが、山旅倶楽部で提供される紙地図(地図画像)の2万5千分の一に比べてなんとなく物足りなさが残る。
「ウォッちず」(左)と今回の2万5千分の一(右)の地図画像をカシミールで並べてみたのが左の画像。改めて見比べてみると情報の細かな違いに気がつく。(クリックすると別フレームで原寸に拡大します。685KB)。
赤城山周辺であるが、最高峰黒桧山の南にある駒ヶ岳の表示が「ウォッちず」にはない。それとまったく個人的な好みの問題であるが、等高線の色や太さとかがどうも「ウォッちず」の仕様になじめないのです。山名の文字も右肩上がりの紙地図特有の書体に慣れてしまっていて・・・。特に等高線については紙地図の方は見ているだけで立体感を感じることができるが「ウォッちず」の方ではどうもイメージがしにくいのだ。
・・・というような古い世代にはやはり紙地図ちっくな本来の2万5千分の一地図画像は貴重なのだ。
解説本3部作の最終巻「パーフェクトマスター編」は2,600円であったが、今回はDVD-ROM付きで2,400円に収まっている。
さて、この本、書名の最後は「1初級編」となっている。2以降も刊行されるのだろうか、またその時には地図はどんなものが収録されるのだろうか・・・。
それよりも、これだけの本を執筆し、日夜カシミール3Dのメンテナンスをこなし、きっと本業もこなしているDAN杉本さんはいつ山を歩いているのだろうか・・・。
(注)この文章では「地形図」「地図」「地図画像」等の用語が感覚的に使用している部分があり、国土地理院の定義とは必ずしも一致していないと思いますのでご容赦ください。
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