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柴田翔「されどわれらが日々」


 たぶん20年ぶりくらいで、柴田 翔「されどわれらが日々」を読んだ。
 柴田 翔の小説やエッセイはこの本を皮切りに学生の頃、ほとんど読んだ。最近(といってももう数年前だと思うが)は小説では「中国人の恋人」、エッセイでは「風車通信」「晴雨通信」あたりか。先日、久しぶりに氏の新刊「記憶の街角 遇った人々」を見つけたので読んでいる。
 同時に、当時あれほど感銘を受けた「されどわれらが日々」の記憶がぜんぜんないので、昨日図書館で借りてきたというわけ。
 この作品は1964年の芥川賞。借りた本の奥付けは、1994年刊行で第105刷。ロングセラーである。
 
で、20年ぶりの感想であるが、主人公と同世代の頃に読んだ時の印象とは当然異なる。
当時は相当啓発され、自己評価ランキングでも最上位に近い評価をした覚えがあるが、今読み返してみると、思想的なことや生き方とかいうものよりも、当時の学生に影響を与えた運動の根の深さである。
舞台は東大である(柴田氏は東大独文)。
東大の秀才達の人生の一時期、あるいは一生に多大な影響を与えた学生運動やその元になる共産主義という政治思想に驚いた。思想の中身ではなくて、かくも簡単に(ではないかもしれないが)洗脳されるものか、ということである。最近また話題になったオウムやあるいは政府与党の一部をなす政党を支える宗教団体のことがちらっと頭をよぎった。

40年前の芥川賞は去年の芥川賞よりもきっと難解かもしれないし、主人公やそれを取り巻く同世代の人々の生き方や死に方には、現代の若者は共感できないのではないか、と思った。しかし、そう思う自分がすでに共感できない世代になってきたということかもしれない。
ということでなかなか複雑な読後感である。

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今年の霧ヶ峰

いつもだと今週末あたりにニッコウキスゲを見に、霧ヶ峰に行くのだが、今年はまだ予定していない。
公式サイトの開花情報を見ても、今年は妙にニッコウキスゲが少ないようだ。
 昨日は東京で39.5度、今日は甲府で40.4度、この1ヶ月で静岡、福井、新潟などで集中豪雨など異常気象が影響しているんだろうか。

 ちなみにこの2日の猛暑でも東電の電力供給は、けっこう余裕のようです。
昨20日の最大電力は6150万kwということで7/9の6020万kwを更新したようですが、、
2001年7月24日(気温38.1度)の6430万kwまでは間があります。

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Mio168用防水ケース

PDAの防水については、今まであまり考えたことがなかった。
ま、要するに山にまともに持って行くつもりがなかったからであるが・・・。

GarminのGPSなどはビニール袋に入れてしまってもログ採りだけなら不自由はないし、
Gekoについては当初から防水ではないけどこんなケースを使っている。

さて、Mio168はまじめに山に持っていけるPDAなんで防水についても少し考えなければ、と
思っていたら、SPAさんからのメルマガでこんなのがあるのを知った。アンテナを伸ばしたまま収容できるタイプはいかにもブカッコであるが、これができないといけないか・・・。しかし、海ではなく山での防水にここまでする必要があるのかどうかも少しだけ疑問だったりする。

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江上 剛「統治崩壊」



江上 剛「統治崩壊」を読んだ。

ここでいう「統治」とは「企業ガバナンス」のことである。
企業や役員個人が危機に際していかに当事者能力がなくなってしまうのか、ということである。

小説宝石の2003年1月から隔月連載されていたものを単行本にして今年の3月に刊行された。
ちなみに単行本は412ページであるが、それ相応の厚みであり、「復讐総会」とは紙質も違うので嵩高紙は使っていないようだ・・・。「復讐総会」は新潮社、「統治崩壊」は光文社である。

中身は氏の経験を活かした銀行ものである。
ストーリーもなかなかいい(最後の水戸黄門的展開は「復讐総会」と同じであるが・・・)。
あと、余韻がない。
水戸黄門もチャンバラ・印籠のあとは、平穏に戻って次の旅に出るところで終わるが、氏の小説は印籠出しっぱなしである。趣向といえばそれまでだろうが、氏の作品の場合、終章が一気に加速している状態なので、何がなんだかわからないうちに終わってしまう印象がある。

さて、サラリーマンとして気になるのは、モデルの存在である。
この小説に出てくる銀行のトップはホントにひどい。もちろん事件がないと小説にはならないわけで誇張や複数のモデルの組み合わせはあろう。
しかし、この小説を読んだ人は「こんなにひどいのか」という思いを持つだろう。
大企業や大銀行のトップなどまったく知らないぼくなどの一般読者にとっては、これが銀行のイメージになる。
特に江上氏の場合は経歴から、その銀行が特定される。
今回の登場人物も、「檜垣」は「檜」から「杉」で「杉田」(元DKB頭取)、「若村」は「村」から「西村」(元興銀頭取)なのか?とモデルの詮索をしてしまう。(でも、旧DKB 対 旧富士はありそうだけど、対興銀もあるのか??)

江上氏はあとがきで自身が退職した理由を雑誌「選択」の記事とは別の形で書いているが、この小説にしてこのあとがきがあると、「こんな結末を迎えることができたら江上さんは銀行をやめなかったんだろうなあ」と思うと同時に、当時の銀行トップはこんなだったのか、と思ってしまう。

江上氏はそれを望んでいるんだろうか?

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ナベツネ

 だいたいにおいて世の中のニュースは腹の立つ話が多いのだが、最近の一連のニュースでは例のプロ野球の1リーグ制問題だろう。

 カテゴリを「スポーツ」ではなく「経済・政治・国際」にしたのは、まさに経済や経営の問題だからである。

 「この不況下で毎年、年俸を増やし、長者番付に名前を並べる唯一のスポーツ団体の恵まれた連中が何をいうか。赤字になればリストラがあたりまえ。事前に説明がない? 企業買収や合併のような経営の最高機密を現場に諮るわけないだろ」
 
 というのが最初の印象。
 ライブドアの堀江さん。イーバンクとの泥仕合以降、久しぶりにネットで拝見したが、なんだかねえ・・・。

 でもまあ、やっぱりこれは、ナベツネ問題であろう。

 ぼくはプロ野球ファンでもないし、ナイター中継で後続の番組の放送時間が変更になる事象を非常に迷惑に思っているので、ナイター中継なんかなくなってもらいたい、と思っているほうである。
 「巨人の星」をライブで見た世代なので、小さい頃はそれなりに巨人ファンであったし、町内の野球チームなんかでも下手なりにやったけど、大学の頃からほとんど興味がなくなった。

 だから1リーグだろうが2リーグだろうが、どこの球団がなくなっても買収されても、どうでもいいけど、やっぱりナベツネは問題だと思う。
 この人はたしか大相撲の横綱審議会?にもいるはず。

 こういう方が最高の視聴率を稼ぐマスメディアの頂点にいることが許されることが、とても不思議である。それを許しているのは、巨人戦のTV中継を熱心に見て、スポーツ新聞を見る巨人ファンと執拗な勧誘とお土産の洗剤に妥協した読売新聞購読者なのかな・・・。

 ナベツネ関連では ↓ これ、なかなか面白い。
http://nabetsune.blogspot.com/

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Walstoneさんの展望クイズ最終回

 山岳展望マニアの間で、渋い人気を誇っていた、Walstoneさんのサイトの名物企画「What's this mountain? 展望クイズ」が50山めの今月を以って最終回となるとのことです。

 この企画は、Walstoneさんがご自身で撮影された写真による百名山の名前(と視点)を当てるクイズで、2000年の4月から開始され、毎月欠かさず出題されました。「同じ山は二度と出題しない」との方針のもと、よくぞ毎回、分かりにくい展望写真があるものだ、と感心しながらも楽しませていただきました。
 前回は大はずれ・・・。視点の山からの展望図はカシミールで何回か描いてみたのに(だから当然、正解の山が入っていたのに)まったく気がつきませんでした。
 最終回の今月は大きな雪山の右の裾野のさらに奥に聳える山。
 大きな雪山がわからないとちょっと正解への道のりは遠そう・・・。
 空が赤く染まるこの写真が朝のものか、夕方のものか・・・・。

 2000年の開始時からの「過去問」は当分掲載されるようですから、展望マニアでこのサイトを未見の方は実力を試されると良いでしょう。

 もちろん、サイトのそれ以外のコンテンツ、数々の伝説的な遠望記録を持つWalstoneさんならではのパノラマ写真はいずれも見事です。
 

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